悠然と泳ぐ大物

 会社の同僚を誘い出し、本流のアマゴを狙いに行くのか源流のイワナを狙いに行くのか悩んだ末、直近の天気と水位を考え源流イワナを釣りに行くことに決めたのは前日だった。

前日のお酒が抜けきらないまま当日の朝を向かえ、先行者がいないことにひと安心をし林道を突き進む。徒歩での入渓ポイントまでの間、林道から川の様子を時々見ながら浮いた魚はいないかと何度も足を止めるなか、悠然と泳ぐ40cmを超すであろう魚を見つけてしまった。興奮したのは言うまでもない。ただ我々は先をすすめた。

私はフライ、相方はルアー。場所に応じて得意な釣法でお互い釣りをした。

初めは小型の魚ばかりで、反応も今一つといった状況だったが徐々に状況は良くなり、相方は尺イワナ、私にも泣き尺イワナが飛び出した。

天気も良く心地よい時間が続いた。

今回はこれまでに入ったことの無い上流域まで釣り歩くことができ、新たな発見もありいい釣行となった。まだまだ先はあろうと思われるが水量も少なくなり魚のサイズ感も小さくなってきたのでこの場所で引き返すことにした。

 

帰りの道中、2人は行きに見たあの40cmを超すであろう黒い魚の事が気になり、夕マヅメのワンチャンに期待しつつその場所まで戻ってきた。そしたらやつは同じ場所に定位していたのだ。下流から回り込みフライでは分が悪いと思ったので、相方に任せた。相方は的確にやつの前にうまくルアーを通すが無反応。何度も通すが無反応。釣ることを諦めた我々は正体だけでも確認したくなり、水中に向けた動画カメラに写った黒い魚は

脂鰭のない…。

朝から興奮をありがとう!いい夢を見させていただきました。